【5】同窓会

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【5】同窓会

桜木中学校から車で15分ぐらいの距離に、料理旅館の「桜燐楼」があった。 今夜の会場である。 そこへ、時間ギリギリに武志の車が到着した。 入り口に、女性が一人立っていた。 あのガイドさんだなと思った武志。 薄黄色のミニスカートに黒いハイヒール。 上半身は肩から胸元まで露出させており、離れていても谷間が気になった。 (やば!予想以上じゃないか) 車を降りた武志に、彼女が近付いた。 『ガイドの中山です。小田様ですね。今夜はよろしくお願いします。皆さんもうお待ちかねですよ。』 武志はその身のこなしや声、そして美しい顔に、時めく自分を感じていた。 中へと案内されながら、気が動転していて、どうでもいいことを尋ねた。 『そんな格好で寒くないですか?』 言ってから、しまったと思った。 (なにやってるんだオレは。そんなこと言ったら、まるで見てました!みたいなものじゃないか。それに、イヤミに聞こえたらどうしよう・・・) 武志の心配をよそに、彼女は何も気にしていない様子で、笑顔だけで、優しく応えた。 (…?) その笑顔に武志の心が一瞬、「ドキッ!」と、一打ちした。 それから「本当に」気になっていたことをきいた。 『あの・・・、今夜の出席者の中に、年配の方は見えてませんか?』 『担任の先生でございますね。残念ながら、ご案内をしたのですが、今日はご都合が悪いということで、見えていません。』 『そうですか・・・。』 武志は、この企画の本当の立案者に、もう一度会ってみたかった。 ~宴会開始~ 中へ入ると、男女合わせて30名程が集まっていた。 まだみんなの顔は、十分に分かった。 『武!おっせーぞ。ほら、突っ立ってないで、ここ、ここ!』 「幹事?」の秀樹が、呼ぶと、かつての生徒会長様を、みんなが拍手で迎えた。 『秀樹「幹事」様。久しぶり。よくもまぁ、こんな企画にこれだけの人が集まったものだな。』 『そういうお前も、こうしているじゃないか。』 ・・・確かに。 『武、お前もまだ独身だってな?オレもそうなんだ。実は今夜の企画には、もう一つ裏があってな。まぁ・・・後ほど。とりあえずは、始めるか!』 幹事が号令をかけ、みんなの注目が集まる。
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