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「ここは子供が遊ぶような場所ではありませんよ。
それに私は、遊んでるのではありません。」
親が心配するから帰りなさい。
そう、言おうとしたら――――
「・・・その身に纏う『気』・・・なんと忌々しきか。」
「我らが力を封じた、旧神の手の者か・・・!」
急に、子供の声が変わった。
そればかりではない。
邪悪な気配を、感じる。
そして子供が口にした、『旧神』という言葉。
間違いなく、二人は子供ではない。
「旧神をご存知とは・・・。
しかし心得て頂きたい。私はどの神話の神も崇めてはいません。」
「偽りを申すな。
貴様より滲み出るその気配・・・忌々しき旧神のものだ。」
「旧神は元より、旧支配者も崇めてはいません。
私は何も崇めない―――代わりに、
旧支配者より、ある力を授かった。」
言って、テリオンは片手を天に掲げた。
「子供」らはそれを見、訝しげにテリオンを見た。
「貴方方はご存知でしょうかね―――アグダは。」
「!!アグダだと!?」
「裏切り者めが・・・!!」
テリオンの掲げられた手の先―――天、つまり空は
次第に曇り、雷鳴が響き―――
『・・・再び、会い見えるとはな・・・』
物悲しげな、声を響かせて。
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