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「・・・言葉を操る、星渡りの白龍。
その姿秀麗なれど、元々は邪なる神。
誰が想像しますかね・・・旧支配者の中に、旧支配者を裏切った者がいるなど。」
『・・・我は足許をよく見るだけだ。そして、必ず後ろを振り向く。
我が前へ進めば、誰かが足が遅くて遅れるだろう。
我は、その遅れた者を見過ごせぬ。待ってやらねば、と思う。
・・・我は、旧支配者であることを悔やんでいる。いっそ、初めから旧神であったなら・・・と。』
アグダは光を放ちつつ、
その姿を変えていく。
「貴方は優しい神ですよ・・・北欧の光の神・バルドルのようにね。
今や貴方には、誰も崇拝者がいない。
そして名も、残らずに消えている。人間で唯一名を知る私でさえ、貴方を崇拝しない。
それでも貴方は、私に力を与えてくれる。」
やがてアグダは光の球になって、テリオンの腕輪になった。
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