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仏になる日
普通に歩き、山奥に帰っていった。
雪蛍「…(視線が気になる。)」
月夜「雪蛍様、綺麗ですね。」
雪蛍「…からかうな//。」
月夜「からかってないですよ。」
雪蛍「…。」
まるで美しい白鳥が過ぎていくかのような、輝くものがあった。
雪蛍「…早く帰ろう。」
月夜「ハイハイ。」
雪蛍「…!!」
月夜「…どうしたのです?」
雪蛍「仏様…。
如何されましたか…?」
月夜「…えっ?」
月夜はなにも見れなかったが、雪蛍の前には、光る明かりがあった。
雪蛍「…月夜、悪いが、先に帰ってくれ。」
月夜「承知。」
月夜は、なにかを悟り、先に帰ることになった。
雪蛍「…如何されました?仏様。私にしか見えないようにされて…。」
…――うむ。月夜には悪いが、お主に話があるのだ…。
「悪いですが…。
この左手は木でなんとかやっているだけでしてね。
利き腕としては使えません。
なにかやれと言われても。」
…――まぁ、よく聞いてくれ…――。
「…なんでしょうか…。」
…―――左手は魔法をかけて使えるようにしてやる…。
「…そう…。それは嬉しいわね。」
――…お主、まだ怒っておるのか…?――
「……いえ。」
――…そうか…。
それならいいが…――お主に…頼みがある…。
「…なんでしょう。」
――……お主に、永遠の命を与えよう…
お主こそ、本物の現人神とさせよう……。
「…なぜですか。
人は生きている限り、最後には死ぬのが定めでしょう?!」
――…だがお主が死んだら、人が人でなくなると未来が語っておる。
頼まれていただきたい…―――
この通りだ……――
「…頭を上げてください。わかりました。」
――…ありがとう。
…――そして…お主を美しい「仏」として信ぜよう…――
「ということは…。」
…――ああ。
それで春美を助けてあげてくれ…――。
雪蛍は満面の笑みで返事をした。
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