仏になる日

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仏になった雪蛍。 「美しい仏」として、仏様達は一度お目にかけたいとしていたが、どこにいるか解らないというのと、雪蛍が気配を消していたからと、仏なのにどこの寺にも居ないからだ。 「美しい仏」として名前も知られていない。 それと、不自由がないようにと、火、水、木等、すべての仏とされていたが、そのどの力も使っていないので誰も気づかない。「戦うことのできる美女」とも言われている。 人の間では、そのようなことは騒がれなかったが、前、町から綺麗な女が山に歩いて行った。と騒がれた。 月夜「…ふぅ。よしっ!!今日の薪はこのくらいでいいかな。」 雪蛍は、騒がしい人に、騒がしい仏様方に少しあきれていた…。 雪蛍(私が唯一話された仏は、ただ一人だ…。その他はあまりなぁ…。) 月夜「只今帰りました!」 雪蛍「おお、ありがとう。」 月夜「はい。雪蛍様もお疲れ様です!」 雪蛍「様っていい加減やめないか…? なんかやだ。」 月夜「じゃあ、雪蛍でいいですか?」 雪蛍「…今思えばその名前は、月夜が考えたよな…?」 月夜「そうですねぇ。最初は「殺狼」とか、怖いと思いましたもん。」 雪蛍「そうだなぁ。僕は最初、男だと間違われたっけなぁ。」 月夜「ハハッ…。それを言うなら、雪蛍もでしょ。私を女と間違えたじゃないですか。」 雪蛍「そうだな。」 とんとん…。 雪蛍「…はい。」 「あの…。 雪蛍様はいますか…?」 雪蛍「あ、春美じゃないか!!」 春美「雪蛍様!!」 ぱぁっと笑顔になった。 春美「雪蛍様のお陰で、助かりました。 ありがとうございました。」 雪蛍「良かった。 中に入っていいよ。」 春美「失礼します。」
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