争い

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争い

雪蛍「…さてと…。 仏様方、来て居られるのでしょう…?」 月夜「…?」 雪蛍「あぁ、すまないね。月夜。今から仏様から、情報を集めるからいってくるよ。」 そう言うと、マントを羽織って、行った。 月夜(…ほんと…。優しいお方だ。困っている人を放っておけない感じかな。) そして時間がたち、仏様方の前に黒いマントを羽織った人物が現れた。 仏様「何者…!」 「驚かせてすみません。 僕は仏の端くれでございます。 教えてもらいたい事があったので…。 お願いがあります。 あなた様は情報収集の天才の仏様だと聞いたので。」 仏様「…うおっほん。其ほどではないが、マントを羽織って聞くとは、態度がなってないのぅ。」 雪蛍「…すみません。」 マントを脱いだとたん、溢れんばかりの光が立ち込めた。 仏様は、あっけにとられた。 仏様「…ではお主が、噂の「美しい仏」とな…。」 雪蛍「…自分で言うのもなんですが…。」 仏様は、嬉しくなった。 仏様「で…何を聞きとうか、ようくわかる。 すまんのう。 不審な者には、情報をもらしてはならぬ法則でな。」 雪蛍「立派な仏様ですね。」 仏様「お主と同じような女はのぅ、お主と同じ、仏を信じ、僧侶により殺されかけた女じゃ。 じゃがその女は、お主のように、仏を信じていれば良いものを、あちらは悪魔を信じてしもうたのじゃ。」 雪蛍「…なるほど。 ありがとうございました。 助かりました。」 仏様「いやいや、いつでも頼って参れ。」 雪蛍「ありがとうございました。では。」 そう言うと、マントを羽織ってまた消えた。 仏様「若いのに凄いのぅ。」 雪蛍「悪魔…か…。 争わねばならぬとはな…。 …実の双子の妹を…。」 親が自殺し、双子の妹と生活していたが、私の利き腕を切られ、家に帰ってきたとき、姉思いの妹が、[私、祈ってくる!]そう言って聞かなかった。あの時、止めていれたら…。 [お帰り…。!!どうしたの…!?] 血みどろで帰ってきた妹…。 その時の一言は、嫌でも思い出される。 [お姉ちゃん。 この世に…。 神も仏もいないよ。 私、仏様を恨むよ。 お姉ちゃんは…?] [私は仏ではなく、人が憎い…。 だから… 仏は恨まない。] 妹は悲しく言った。 […そっか。 じゃぁ、敵同士になるんだね。]
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