生きる

2/5
前へ
/44ページ
次へ
そして雪蛍は、長年山奥にこもっていたため、人々から忘れられていった。 月夜「雪蛍様、私は町に行き、必要なものを買いに行って参ります。」 雪蛍「…様はいらないって。 わかった。 気をつけて行けよ。」 ぶっきらぼうに言ったが、心配していた。 外は手にとるように見える。 部屋には、仏様をかたどった、雪蛍が木を彫って作ったものだ。 心を込めて作ったものだから、とても美しく型どられていた。 そして、仏様として、雪蛍に町の様子を教えてくれていた。 雪蛍「僕も今日は行く。修行は終わったしな。」 月夜「はい。」 嬉しそうだった。 修行というものは、一山分木々の間を飛び回り、その後に剣の修行として、腐った木を見つけては細かくミンチじょうにした。 「お主、拙者と付き合わんか?」 ………いきなり声をかけられた月夜。 月夜「………。」 ドン引きの二人…。 それもそのはず見た目ではわからないが、月夜は男だ。 月夜「…今日は衣類を買いましょう。」 普通に会話をしだす始末。 「またれい。 拙者と付き合えば身分に困らん…「私は男だ!!!」 「身分」の二文字で、いきなり般若のような顔になり、殴った。 その男は、未だに倒れている。 雪蛍「…御愁傷様…。」 ぼそりと呟いた。 月夜「さっ、行きましょう??」 周りには逃げている人がいたとかいなかったとか…。
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加