生きる

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月夜(なぜ、私には来て雪蛍様には行かないのだ…? 町に来ても雪のように美しい肌とか、とても綺麗なのに。) ボーッと考えていると、ひらめいた。 月夜(そうだ、着物だ! 着物を着たらより美しくなるだろう!) 月夜「つきました。」 雪蛍「…なぁ、見間違いじゃないよな…? 着物って…。お前が着るのか?」 月夜「まさか。 あなた様ですよ。」 雪蛍はその時、月夜の顔が黒い笑みをしているように思えたとか…。 雪蛍「…無理だ。 動きにくい。」 月夜「慣れれば大丈夫です!」 雪蛍「第一、忍び装束でもいいでは…「だめです。」 ……… 雪蛍「…なぜ着物にこだわる?」 月夜「雪蛍様なら、美しいかなと。」 雪蛍「第一、金はあるのか…!?」 逃げるように口実を探している。 月夜「……。」 ホッとした矢先、月夜は着物の店に入っていった。 雪蛍「ちょっ…!」 月夜「あの、すみません。 この方に似合う着物ってありますか?」 店員は、雪蛍に視線をずらした。 店員「…この方は女なのですか?」 ぼそっと耳打ちした。 月夜「そうだよ。というか…私は男ですし。」 店員「……今なんと…?」 月夜「(ニコッ)私は男で、あの方は女と言いました。」 店員「…………。」 逆に見えた店員だった。 雪蛍「…だから僕は嫌と…。」 店員「いいでしょう。私にも地位というものがあります。」 雪蛍「…?」 店員は、雪蛍を引っ張って、奥に連れていった。 月夜「綺麗だろうなぁ。」 その頃あちらでは…。 店員「私も女です。 女どうしなのですから、大丈夫ですよね?(たまに女でも駄目というわがまま娘がいるから聞く…と。)」 雪蛍「…?」 店員「一枚、脱いでいただけますか…?」 雪蛍「…はい。」 上に羽織っていたものを脱いだ。 店員(女なら女特有の、くびれがあるはず…。[太ってる人はわからないけど…汗]) すると女特有のくびれがあった。 店員「…疑ってすみませんでした。」 雪蛍「…?どこでわかったんですか…?」 店員「…まず、くびれです。その次に、喉仏。その次に、肉の付き方。その次に、男の人なら、首に線が入るのです。」 雪蛍は驚いた。 観察力もそうだが、説明力もすごい。
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