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闘技場の真ん中に黒いトンファー――カタカナの『ト』のような形をしていて、短い方を逆手に持って使う打撃武器――を手にしたスキンヘッドの大男がいた。
大男は丸太のような腕を緑のノースリーブから出して、トンファーをクルクルと回している。
その姿からは、男が何度も激しい闘技を繰り返してきたことがうかがえた。
だが、大男は肩で息をして、頭や腕には大粒の汗がしたたり、さらに顔や腕には青黒い痣がいくつもできている。
「てめぇ……ちょこまかと……」
大男はなかなか捉えることができない自分の小さな対戦相手を睨み付けた。
「そんなに睨み付けんなよ! 私が速いんじゃなくてオッサンが遅いんだろ?」
大男の対戦相手は、ツインテールにした茶髪を揺らしながら笑った。
「! ……俺はまだ28だぁぁぁぁぁ!」
大男は大声で吼えると、トンファーを構えた右手を大きく後ろに降りかぶりながら、ツインテールの少女に突っ込んだ。
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