プロローグ

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 トンファーを構えた大男は、少女に突進していく。 「おらぁ!!」  大男が右手の得物を少女に降り下ろした。……が口元に笑みを浮かべた少女は、忽然と大男の視界から消え去っていた。  大男が渾身の力で降り下ろしたトンファーは、何も捉えることなく地面を叩きつける。 「な、なに!?」  忽然と消えた少女に、大男は驚愕の声をあげた。 「こっちだよ、オッサン」  上空からの突然の声に、大男は視線をあげた。  そこには高々と跳躍し、太陽を背にした少女。 「ぐっ……」  少女の後ろで輝く太陽に、大男は目が眩む。 「闘いは頭も使わなくちゃ!」  少女は空中でクスリと笑う。  少女の両腕についた手甲の無機質な赤が煌めいた。
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