プロローグ

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部屋のドアを勢いよく開けて、俺が居るベッドまで近寄って来る足音……。 「ほら、早く起きてよ! 一緒に登校するって約束したでしょ?」 そして俺が被っていた布団を、無理やり引き剥がした。 「……大丈夫だって彩音。あと10分は安眠できる」 「遅刻ギリギリになっちゃうじゃない! 高校生活初日から遅刻なんて絶対に嫌なんだからっ!」 ……腰に手を当てて仁王立ちしているコイツは遥崎 彩音(アヤネ)。 俺と年が一つ下の妹で、高校1年生。今年から俺と同じ高校に入学して来るんだ。 黒髪ショートヘアーに……童顔というんだろうか? とにかく高校1年生とは思えないくらいの顔立ちをしている。 けど、顔に似合わず性格はかなりしっかりしてる……まあ自慢の妹です。 「それなら先に行ってくれ。 俺ももうちょっとしたら……」 「それも駄目っ! お兄ちゃんが遅刻しちゃうじゃないっ!」 彩音はまたもや無理やり、俺の腕を引っ張り出した。 ……まあ、俺の事を思って言ってくれてるのは分かってるんだけど。 ちょっと最近ブラコン疑惑が浮上しつつある。 「ちょっ、痛い痛いっ! 分かったから引っ張るなってっ!」 ……結局俺が折れる事になって、まもなく彩音にダイニングへと連行されていった。
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