28531人が本棚に入れています
本棚に追加
部屋のドアを勢いよく開けて、俺が居るベッドまで近寄って来る足音……。
「ほら、早く起きてよ!
一緒に登校するって約束したでしょ?」
そして俺が被っていた布団を、無理やり引き剥がした。
「……大丈夫だって彩音。あと10分は安眠できる」
「遅刻ギリギリになっちゃうじゃない!
高校生活初日から遅刻なんて絶対に嫌なんだからっ!」
……腰に手を当てて仁王立ちしているコイツは遥崎 彩音(アヤネ)。
俺と年が一つ下の妹で、高校1年生。今年から俺と同じ高校に入学して来るんだ。
黒髪ショートヘアーに……童顔というんだろうか?
とにかく高校1年生とは思えないくらいの顔立ちをしている。
けど、顔に似合わず性格はかなりしっかりしてる……まあ自慢の妹です。
「それなら先に行ってくれ。
俺ももうちょっとしたら……」
「それも駄目っ!
お兄ちゃんが遅刻しちゃうじゃないっ!」
彩音はまたもや無理やり、俺の腕を引っ張り出した。
……まあ、俺の事を思って言ってくれてるのは分かってるんだけど。
ちょっと最近ブラコン疑惑が浮上しつつある。
「ちょっ、痛い痛いっ!
分かったから引っ張るなってっ!」
……結局俺が折れる事になって、まもなく彩音にダイニングへと連行されていった。
最初のコメントを投稿しよう!