プロローグ

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「……おはよう」 ダイニングへ入るなり、俺は元気のない挨拶をする。 ……ああ、ちなみに元気がないのには2つの理由があったりする。 先ほど見栄みたいなものを張ってしまったが……1つはただ単に朝に弱いから。 そしてもう1つは…… 「おっはよぉう、真ちゃ~ん! 元気かい?パパは元気ハツラツさぁっ!」 ………コレだ。 俺の挨拶にハイテンションで答えた、私服でエプロン姿のマイファーザー。 別に朝だからハイテンションって訳じゃない。残念ながら24時間こんな状態なんだ。 まあ分かりやすく言うと、親バカの度が過ぎてるバージョンだな。 子供の俺が言うのもなんだけど。 ……とりあえず俺は無言で席について、静かに朝食を食べ始める。 そして、その様子を笑顔で観察し始める父さん。毎度の事ながらやめて欲しい。 「……そういえばパパ。今日仕事じゃないの?」 そんな中、学校鞄の中を確認していた彩音はふと父さんに質問をした。 ……まさにその瞬間。 音速越えてんじゃねぇかっていうくらいの速さで、父さんは彩音の所まで移動して頬擦りをし始める。
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