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「っていうかなんなのよ?その『いい伝え』って……。あまりにも非現実すぎて信じようがないじゃない」
口では一生懸命、否定しても心の奥底の部分がざわめきだし、その話にしっかりと反応を示している。
それが底知れぬ不安感とそしてどこか懐かしさを私に感じさせていた。
「本当はあなたも何かを感じてるんでしょ?……心の奥底では。それにねあなたが生まれたときに感じたのよ……」
懐かしそうに嬉しそうに私を見ながら目を細め見つめてくる明ねぇ。
こんな優しくて穏やかな明ねぇの表情は見たことがなかった。
「…感じたって何を?」
戸惑いながらも恐る恐る聞く私に明ねぇは
「私もその『いい伝え』に関わってるって言ったでしょ?まぁ、私の場合はここに来たのは初めてなんだけどね……」
余計に意味深なことを言い出し、益々、分からなくなっていく。
怪訝そうに首をかしげる私に明ねぇは笑みを溢しながら言った。
「私は前世でのあなたの母にあたる記憶を持っているの……」
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