1st:始まりの朝

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ヴォン…ヴォォォォン、ドッシュルルル… SR20独特の音とバックタービン音を出しながら60km/h前後で走っていると、車が一台迫ってきた。リトラクタブルの形から、おそらく180SXだろう。 「バトルしたいが、こっちの世界は知らないし…スルーだな。」 近づいて来たが、そのまま追い越されてしまった。数秒後に、スカイラインやインプレッサが続々と通過していった。       走っていると、不思議な事に気が付いた。ガソリンメーターがFを指したまま動いていない。しかし、距離は数百kmは走っているので、普通ならガス欠している。 「コイツは良いや…走り放題か…」 自分以外誰も居ない車内で呟き、アクセルを踏み込んで加速するシルビアは、名前の由来の通り美しい事だろう。
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