『記憶』

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「すまない!見失ってしまった。」 サイファがみんなに言った。 「それは残念だ…」 ソニックが答えた。 「どうだ!ソニック!?」 ブレイズが真っ黒くない顔をしながら、インスペクターのすき間から出てきた。 「ダメだ…」 ソニックはがっかりした顔をしていた。 「しかし…とんだ道草になってしまったな」 ゼルが中の都の方角を眺めた。 「ソニック!やっぱダメだ!車輪が完全にやられてる!走行は無理だ!」 クラストも真っ黒な顔をインスペクターの車輪部分から顔をのぞかせた。 「にいちゃん…?どうする?」 ファムはソニックに言った。 「このまま、ゾイドで中の都まで一気に行こうぜ!」 ブレイズが言った。 「それはダメだ!一度引き返して、出直そう!」 サイファが言った。 「なぜだ!中の都はすぐそこだぞ!」 クラストは誰もが中の都を目指すと思ってたクラストはサイファに言った。 サイファは谷間の出口でガルーダカンパニーの軍勢か待受けてる事を伝えた。 もちろん、インスペクターをその場に放置して、谷間を抜けるのをやめて、別のルートで中の都にゾイドだけで移動する事にした。 東の砂漠より西側の森や岩場が多い、ルートを選びんだ。 すでにガルーダカンパニーもブレイズの件や評議会でのゼルの件も含めて、中の都のマスメディアに接触するのを恐れて警備体制を強化していた。 ブレイズたちはゆっくりと進んでいた。 そして切り立った岩場で、焚火を囲んで休憩していた。 「今夜は冷える」 ゼルは毛布をかぶった。 「しかしあのバスターイーグル…助けられたと考えるべきか…」 ソニックが瓶に入った酒を呑んだ。 「でも、それならインスペクターに攻撃をしないで、素直に教えてくれてもいいのに…」 ファムが焚火に木を入れた。 「敵か…味方か…」 クラストはコーヒーを両手で呑んだ。 「危険を教えてくれたのに、手荒な手段…ただ俺たち逢うのが恥かしいんじゃない!?」 ブレイズがゴロっと横たわった。 「顔を見られたくない…すなわち顔が知られてるって事か…」 サイファが目を細めた。 するとサイファは立ち上がった。 「悪いが…一度南の都に戻る!安心しな!すぐに戻る!」 サイファの真っ赤なライトニングサイクスはあっという間に見えなくなった。 「好きにさせておけ…ウソをつく男ではない…」 ソニックはまだ呑んでいた。
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