『記憶』

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そんな中…岩場の下の方に光を見たブレイズ。 「みんな静かに!」 ブレイズはファムの口を押さえた。 すると岩場の下に広がる森から不自然な音がした。 「木と木がこすれる自然の音じゃない!」 ゼルは確信した。 全員がゾイドに乗り込んだ。 「くそっ!ガルーダの奴らか!」 クラストのケーニッヒウルフはスナイパーモードに切り換えて森に狙いを定めた。 すると森の中から10体ほどのセイバータイガーが現われ、ゆっくりとブレイズたちに堂々と近付いてきた。 そして赤いセイバータイガーの群の奥から真っ白で片目に傷のあるセイバータイガー前に出てきた。 ハッチを開けて男が叫んできた。 「俺たちはここら辺を縄張りとしている山賊だ!俺は頭(かしら)のジェイド!俺はその金ピカのライガー欲しい…。どうだ!?ちょっとしたゲームをしないか…?もちろんお互いのゾイドをかけて一体一の勝負だ。」 ジェイドは大声で叫んだ。 「ふん!くだらん…。」 ゼルはフォックスを停止させ、ソニックもディバイソンから降りて、横になった。 「私たちは、あなたたちに付合ってる暇なんてないの!早く帰ってちょーだい!」 ファムが両腰に手をあてて胸をはって言った。 「気の強いおじょーちゃんだ…。だが後ろの二人はそうでもなさそうだが?」 ジェイドは指を指して言った。 「クラスト!俺が行く!ここで逃げたら男じゃない!」 ブレイズは見事に挑発にのっていた。 「あったりめぃだ!なめんじゃねー!ブレイズ!ギタギタにして来い!」 クラストもやる気満々だった。 「クソッ!ガ…キ…!」 ファムはブレイズとクラストの頭をグーで小突いた。 「よーし!決まりだ!明日の夕暮れにあそこに見える一本杉の丘に集合だ!」 と言残し、ジェイドとセイバータイガーの群は森へと消えた。 「なんで、あんな事言ったのよ!」 ファムは怒ってブレイズとクラストに言った。 「俺は負けない!どんな事からも絶対に逃げない!」 ブレイズは鼻息を荒くしなから言った。 「何言ってんのよ!私たちにはもっと重要……?」 ファムはブレイズの言葉にさらに怒りが込み上げると、ブレイズはクルッと背を向け横になった。
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