『記憶』

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「それが一番だな!」 ブレイズも同じ事を考えていた。 ライガーとタイガーは反転しデススティンガーに向った。 せまりくるデススティンガーに一歩も怯むことのなく、ブレイズとジェイドが戦った。 「くそっ!デカ過ぎる!2体じゃ歯が立たないのか!」 ブレイズは叫んだ。 「弱音を吐くにはまだ早いぜ小僧!! 片方の足の付け根を見てみな!」 ジェイドは最初から一ヵ所に攻撃を絞り、すでに亀裂が入っていた。 「凄い!いつの間に!?」 ブレイズは驚いた。 「あったりめぃよ!お前とは戦ったキャリアが違うんだよ!サソリからカメにしてやるぜ!」 と言うとジェイドはデススティンガーのハサミに捕まった。 「うわぁ!ドジったぜ!」 ジェイドは身動き出来なかった。 「ジェイド!今助ける!」 ブレイズのライガーはブレードを展開し、足の付根を狙った。 (ジャキーン!) (ドスン!) デススティンガーの片側の足が付根からライガーのブレードによって破壊され、デススティンガーはバランスを失い傾いた。 そしてその拍子にセイバータイガーは脱出した。 ライガーゼロとセイバータイガーはデススティンガー目掛けて一斉に砲撃すると、デススティンガーは片側を引き釣りながら地中へと潜り、姿を消した。 そこへやっとクラストたちや、山賊たちのセイバータイガーも集まってきた。 さすがに遠くからでも異変に気付いたようだった。 「小僧!大丈夫か?」 ジェイドはセイバータイガーのハッチを開けて言った。 「あぁ、もちろん!」 ブレイズはニコッと笑った。 「邪魔が入った!ゲームは中止だ!野郎ども宴の準備だ!客人をもてなすぞ!」 ジェイドが叫んだ。 「おぉー!」 山賊たちは一斉に返事をした。 ジェイドはすっかりブレイズの事が気に入ったようだった。 受け入れなくてもいいゲームを受けた事と、デススティンガーにも一歩も引かなかった事。 何よりもあのデススティンガーにガルーダカンパニーのマークが入ってた事。 ジェイドは酒の席でブレイズたちの目的を知った。 「その話し、面白そうじゃねぇか!俺もお供させてもらう!」 ジェイドは楽しそうな事が大好きだった。
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