『記憶』

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「そろそろ山ごもりの生活にも飽きたところだった!野郎どもちょっと遊びに行ってくるわ!」 ジェイドは少し淋しげな気持ちになった。 「つかよ…このまま中の都まで行って、スンナリ話しがうまく行くと思ってんのかよ!?どうせくだらん冗談と門前払いされるだけだぜ!」 ジェイドが説明した。 「何か考えがあるのか…?」 クラストが聞いた。 「もちろんだ!そいつは北の都にいる!簡単に中の都のマスメディアを利用出来る男がいる!中の都を通り抜けて北の都に向う!」 ジェイドが言った。 「でも…随分遠回りだわ…」 ファムがみんなを見た。 「急がば回れか…」 ゼルがつぶやいた。 全員その言葉で北の都に行く決意をした。 宴の最中だったそんな中… ジェイドはクラストの顔を見て… 「やっと思い出した!こっちの坊やは賞金稼ぎだろ!」 とファムに聞いた。 「そうよ!よく知ってるわねー!」 ファムは驚いた。 そして宴も終盤で、ジェイドがクラストがなぜ賞金稼ぎになったのかファムに聞いて来た。 「彼ね…ある賞金首に弟を目の前で殺されたの…。しかも幼い時にある事件に巻込まれ、クラストが怖くて見過ごした賞金首をクラストの弟が必死で止めようとしたら…刃物で一刺し…即死だったみたい…。クラストが賞金稼ぎになったのも、弟を殺した賞金首を探すためってね…」 ファムは酒の勢いでペラペラと話した。 実はジェイドは賞金稼ぎが嫌いだった…。 ジェイドの父親も賞金稼ぎで、金に溺れた最後だったからである。 ジェイドは幼き頃を思い出し切なくなり眠った。 翌朝、ジェイドを仲間に一行は北の都、アイスキャンべルを目指した。 南の都に戻ったサイファにもジェイドの山賊仲間が、そのことを伝えにサイファの元へ向った。 また、上空には青いバスターイーグルが旋回していた。
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