『記憶』

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ライガーゼロ、ケーニッヒウルフ、ディバイソン、アイアンコング、シャドーフォックス、セイバータイガーは北の都を目指した。 行く手は高い山岳地帯で吹雪や豪雪で中々前に進めなかった。 「しかし凄い吹雪だ!まったく前が見えない!」 クラストが先頭を歩いていた。 「仕方がない、あの洞窟で一休みしよう!」 この道を通った事があるジェイドが言った。 ブレイズたちは何日も足止めをくらい、北の都まではかなりの日数がかかっていた。 「ちっ!予想以上に天候が悪いぜ…」 ジェイドが空を見上げた。 「これじゃ、いつ北の都に着くかわからんな…」 ソニックはウォッカをグビッと呑んだ。 「まぁ…いいじゃない…こんなところだけど私たちにも休養は必要よ。」 ファムはスープを作っていた。 「ジェイド、北の都のマスメディアを簡単に動かせると言う人間はどう言う奴なんだ?」 ゼルが聞いた。 「元々、マスメディアの中心にいた男…今は引退し、ひっそりと暮らしてるがな…、」 ジェイドは照れくさそうに言った。 「どう言うつながりだ…」 ブレイズが反応した。 「フッ…遠い昔の事さ…」 ジェイドはその場を濁した。 「シッー!何か聞こえる!?」 クラストが洞窟の外に目をやった。 明らかに機械音がした。 ブレイズたちは、またガルーダカンパニーが攻めて来たと思い、全員がゾイドに乗り込み戦闘体制を取った。 「いくぜ!ライガー!」 ブレイズは真っ先に洞窟を飛出した。 「なっ…なんだこれは…!?」 ブレイズはあまりの大きさに驚いた。 「デススティンガーなんか目じゃね…」 ジェイドも呆然とした。 「大き過ぎる!これがゾイドなのか…」 クラストも信じられなかった。 「勝目はないぞ…」 ゼルは首を横に振った。 するとそこには灰色の鯨型のホエールキングが猛吹雪の中、微動だにする事もなくホバリングしていた。 ホエールキングのハッチが開き、ゾイドが一体飛出して来て、立すくむブレイズたちに近寄って来た。 ブレイズたちは一歩も動けなかった。
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