その反転に、爪を立てるもの

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 現在放課後になっても、僕が廊下を歩いているだけで奇異な視線をいくつか感じる(断じて、僕の姿が男に見えるからではないだろう)。  十夜は、「お嬢様学校だから皆可愛いし、世間知らずだから疑うことも知らないからすぐ受け入れてくれるさ」と言っていたがまるっきり嘘である。真っ赤な嘘である。嘘に色はないだろうけど。  さて、目的地到着。  扉には生徒会室と立派な札がかけてあり、立派な扉が僕を威圧する。  高そうな木製の扉に萎縮する僕。周りを何気なく見渡すと、女生徒と目があってしまった。 「…………っぁ!?」  視線を外されるどころか顔を朱にして逃げられてしまった。意外と早い逃げ足に若干傷つく思春期な僕。  ならばと、これ以上傷つく前に僕は生徒会室に逃げ込むように入った。
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