親密

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時刻は9時ちょうど。いつも遅刻をする洋一はいつもなら寝ている時間に携帯のアラームを止める者がいる。 すでに起きて精一杯大人びた私服に着替えた洋一だ。 待ち合わせの時間にはまだ2時間はある。洋一自身も何時に起きたかなんて覚えてない。覚えているのはすでに太陽が昇っていた事くらい。 今は鏡の前で整髪料を使って少しでも大人っぽくなるように立ちづらい髪と奮闘している。 普段に増して時間を掛けたにもかかわらず童顔な洋一は自己満足にすぎないだろう。 持ち物の確認や軽く朝食を食べていたらいつの間にか待ち合わせ時間まで30分を切ろうとしていた。 少し焦って家を出る。普段なら原付きだが今日は髪型を崩さないようにと自転車に跨がり、待ち合わせ場所にした駅の近くの駐車場へ胸の高鳴りを抑えつつも急いで向かう。
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