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この日していたのは最近出た課題だが比較的楽だったからか、珍しく完全に日が暮れそうになる少し前には終わりそうだった。
後少し、残りは国語の課題のみとなった。
洋一は少しばかり安堵の表情を浮かべた。
その時だった。
ガラッと音を立てて開く教室後ろの扉。
「すぐ帰りますから」
と、少し慌てて振り向くとそこに立ってた人と目が合う。
そこに立っていたのは今年から転任してきた若い女教師。
「ここに赤ペン忘れてきたみたいなんだけど…」
赤ペン?
洋一は少し考えて、思い出したように教卓の中を探り目的の物を女教師に向けた。
「赤ペンってこれ?」
洋一は教壇の中から1本のペンを取り出し、女教師に見えるよう上に掲げた。
「あっ!そう、それ♪ありがとう。」
「見つかってよかったですね。」
「うん。…ところで君はこんな時間まで課題かな?」
「…んーまぁ、日頃のサボりのおかげで♪」
「おかげで♪、じゃないでしょ!何の課題してるの?先生の分かる範囲で教えてあげようか?」
「いや、悪いですよ。後は国語の課題だけなんですぐ終わります。…多分」
「国語?それなら大丈夫かも?」
「かも?あっ国語担当の先生やったよね?…ん?かも?先生本当大丈夫とー?」
そういう事で手伝ってもらう事になったのだが。
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