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上履きから靴に履きかえ教員用に設けられた駐車場へ向かう洋一。
(えっと…確か)
放課後という事もあり、いつもより疎らな教員駐車場。
どの車かな?と駐車場を見渡す。
洋一とは別の理由で残っていた名前も知らない後輩数人とすれ違うが、洋一は何か思い出したように朝倉のと思われる車へと歩き出した。
白のラパンの前、1分もたたずして後ろに現れたのは…
「お待たせ?よくわかったねー」
何かと資料やらで少し重そうな荷物をもった朝倉彩。
「んっ?確かこれ乗ってたと思ったからさ。荷物少し持つよ」
「ありがとう♪すぐ鍵開けるね♪」
彩は右手の荷物を洋一に渡し、車のロックを外した
洋一は朝倉の荷物を後ろに置くとすぐさま助手席に乗り込んだ。
「ちゃんとシートベルトしめてね♪」
「はぁ~い♪」
先生の運転で学校をでて、洋一の住むA市へ車を走らせた。
車という狭い密室の中、A市までは車で約40分の距離、それが二人の生徒と教師の関係を少しずつ壊していくこととなった。
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