接近

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車内ではいろんな会話をした。学校のこと、家族のこと、恋愛のことも。 ふと先生がこんなことを言った。 「先生ね、汗の分泌って言うのかな?体中にすぐ汗がでるのよね。変な体質よね?」 そう言って洋一のほうへ手の平を見せる。 よく見ようと自然に先生の手をとる。 「えっ、本当だ。先生、これ病気とかじゃないんだよね?」 「原因はわからないけど、小さい頃からだし、他に異常もでないからただの体質かな」 「そうなんだ。てか先生の手、冷たいね。温めてあげるよ♪」 ちょっと冗談で言ってみたら抵抗することもなく。 「じゃお願いしょうかな?」 と笑って左手を洋一に預けた。 なんだか距離が近いたような、そんな気がした。 洋一は内心ドキドキで先生の左手を両手で覆った。 少し沈黙が車内に流れた。 何か話題を出さないと思い、洋一は思い出したように。 「先生ってシャンプーなに使いよると?」 「シャンプー?」 「この前課題手伝ってもらった時にいい匂いだなぁって思って」 「シャンプーは〇〇だったかな。」 何を思ったのか、洋一は… 「髪の匂い嗅いでいい?」 「えっ?…いいよ。けどもう着くよ?」 「あっ本当だ。そこの駅の近く原チャ置いてるからそっちの駐車場までお願いしまぁす。」 「了解です♪」 そう言って駐車場へ車を走らせる。
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