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はじまり
1999年12月。
今年、
高校生最後の冬休みとなった。
麻美とは今回で二回目のクリスマスを過ごす事になる。
いつも鬱ぎがちで
はっきりと言葉で表現するのが苦手な僕に
よくもまぁ二年近くも愛想を尽かさずについてきてくれてる麻美。
こんなに長く続くとは
まったく思ってなかった。
【どーせすぐに良い人見つけ
僕の幸せを奪って消えていくに決まっている】
こんな考えがどこかにあったまま迎えた去年のクリスマスは
とてもじゃないが心から楽しめなかった。
すべては僕のせいなんだけど
それでも麻美は文句一つ言わず
「今年も一緒に過ごせるねっ」とうれしそうに言ってくれた。
麻美を信じてない時期は
好きな気持ちよりも嫌いになる事の方が多く、
その総ては僕の思い込みなのはわかってたから
いつも「今日は大事な話がある。」と言われりゃ
ようやくか…
と、常にマイナス思考だった。
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