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だからといって、家庭の嫌気を学校で癒すこともしなかった。
大人数ではしゃぐよりも一人でいる方が楽だったし、中学に入ってからは嫌がらせも受けた。
親友どころか友だちと呼べる人さえいなかったけど、休み時間に下らないお喋りをしてトイレにまで一緒に行くような相手をほしいと願うこともなく、孤独を感じない一匹狼を気取りながら、クラス内の出来事にあたしが関係することはなかった。
嫌がらせも常に一人でいることも教師は特に気にも留めていなかったようで、存在感が薄すぎたのだろうか、と今になって思うけれど、それはあたしにとって寧(むし)ろ喜ばしいことだった。
正義感を振り翳(かざ)して「嫌がらせはやめるんだ」と教壇で高らかに謳い上げられたり、「友だちは大切だぞ」などと言われたり、そんなことされても正直、鬱陶しい。
誰もあたしを気にしない、存在価値などありはしない場所。
それでも無断欠席――いわゆるサボり――をすることはなかった。
それは、意地やプライドなんてものではなく、単に感情が欠落したように何も感じなくなっていたからだ。そんなのでツライだなんて思えない。
体は弱くないあたしは、お陰で皆勤賞を貰えた。
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