好きな人

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「ねぇ…三浦くん…」     「ん、何?」     三浦くんは頬杖をつきながら笑顔を向けた。   あたしは俯きながらやっとの思いで声を出した。     「何で…麦ちゃん? それに……可愛くなんてないから…」     う"ぅ…恥ずかしい。   教室内の騒めきがやけに遠くに聞こえる。   心臓がバクバクといつもより早く脈打つ。     「麦って名前、可愛いなぁって思ってたんだ。 それにすぐ顔が赤くなるところとか普通に可愛いよ」     もう…ダメ…。   あたし…死んじゃうかも…。   三浦くんの言葉に倒れそうになる。   …てか、倒れた?   目の前が暗くなる。     「……麦……麦ちゃん…!!」     「……ぎ……麦…!?」     遠くで三浦くんと真歩ちゃんの声が聞こえた気がした。   そのまま、あたしは闇にのみ込まれた。    
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