好きな人

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三浦くんが保健室から出て行くのを確認してから、真歩ちゃんがニヤニヤしながら口を開いた。     「麦ぃ、三浦と何話してたの?」     「へ? べべべ別に何にもっ」     慌てて答えるあたしに、ニヤニヤ笑ったままの真歩ちゃん。   うぅ…真歩ちゃん、絶対に楽しんでるよ。     「ふーん。 まぁ、いいけど。 ねぇ、麦? ここまでアンタを運んだの誰だと思う?」     そう言われて気が付いた。   そういや誰なんだろう?   真歩ちゃん…じゃないよね。   じゃあ……先生とか?   真歩ちゃんは、考えるあたしにそっと近付き、耳元で囁いた。     「三浦よ。 み・う・ら! しかも…お姫様抱っこで。 あんなに慌てたあいつ見たの初めてだったわ」     三浦…くん?   お姫様抱っこ?   ……………………!?     「嘘ぉー!! い…い…嫌ぁー!!」     「麦、うるさい」     嘘でしょ!?   誰か嘘だと言って!!   ……最悪だ…体重バレたじゃん…。   あたしは今までの人生の中で1番深く、海の底の底まで気分が落ちていった。    
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