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9時50分。
待ち合わせ場所の駅前に来たんだけど…。
「真歩ちゃーん…。
やっぱ変だよ…帰りたい…」
「ダメよ。
あたしがやってあげたんだから変な訳ないじゃない。
……三浦の驚く顔が楽しみだわ…」
真歩ちゃんは最後に何か言っていたみたいだけど、小声すぎて聞こえなかった。
それよりも、自分の格好の方が気になってしょうがない。
真歩ちゃんがしてくれた全身コーディネート。
白の半袖ワンピに細身のデニム。
脱ぎ着が出来るように、ワンピの上にはカーディガン。
ペタンコで楽チンだけど可愛いパンプス。
真歩ちゃんはワンピだけにしろって言っていたけど、そこは拒否して、何とかデニム着用を許可してもらった。
そして……メイクをされた。
普段スッピンのあたしは恥ずかしくてしょうがないけど、真歩ちゃんは本当に上手で、目なんていつもの3倍くらい大きい。
でも見慣れないせいで、自分の顔が変な気がする。
「真歩ちゃん…やっぱり…」
「大丈夫よ!
私が可愛いって言ってんだから可愛いのっ」
そう言う真歩ちゃんは、相変わらず大人っぽくて、メイクもばっちりだし…。
あたしは盛大な溜め息をついた。
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