ピアス

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「……ぎちゃーん…どこー!?」     「え…渚くん?」     遠くから渚くんがあたしを呼ぶ声が聞こえる。   あたしは、これでもかってくらいの大声で渚くんを呼んだ。   すぐにバタバタと走る音が聞こえて渚くんが現われた。   あたしは涙を流しながら渚くんに抱きついた。      「こ…怖かったよぉ…」     「ごめん、麦ちゃん。 俺が無理矢理、誘ったから…」     渚くんはギュッと抱き締めてくれた。   あたしの体をすっぽり包み込む渚くんの体は暖かくて…本当に安心できた。     「渚くん…早く出よ? ……………あっ!」      「どーしたの?」     へなへなと座り込んだあたしに、不思議そうな顔をする渚くん。   あたしは苦笑いを浮かべながら口を開いた。     「こ、腰…抜けちゃった」    
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