ピアス

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「嫌じゃないよっ! だって俺……」     「渚くん?」     急に渚くんは俯いた。   どうしたんだろ?   なんか顔赤いし…。   あっ…もしかして……。     「風邪引いちゃった? 渚くん、顔赤いよ?」     「…っ…ななな何でもない!! ほらっ、次、俺等の番みたいだよっ」     渚くんの反応を不思議に思いながらも、係員に促されて観覧車に乗った。   緊張しながらも、観覧車からの景色に目を奪われていた。     「渚くんっ! 綺麗だねぇ」     「麦ちゃんってホント可愛いよね。 そういや、気になってたんだけど…ピアス開けてたんだね」     渚くんはあたしの耳元を見ながら言った。   普段は髪の毛をおろしているから気が付かなかったんだろう。   あたしはピアスを触りながら言った。     「意外でしょ? 高校入る時に、真歩ちゃんと一緒に開けたの。 うちの高校って校則ゆるいから…。 ほら、ピアスの穴開けたら運命変わるっていうでしょ? だから…ね」     「麦ちゃんの運命は変わった?」     あたしの…運命?   あたしは渚くんに、笑いかけた。    
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