ピアス

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でも、俺は気付かないフリしてたんだ。   てか認めたくなかった。   俺だけが麦ちゃんの可愛さに気付いていたかった。     「俺って独占欲強かったんだな」     本当は今すぐにでもこの気持ちを伝えたい。   でも、俺が告って麦ちゃんと今みたいに話したり出来なくなったら…って考えると言えない。   俺…こんなヘタレだったなんて…。   麦ちゃんを好きだと自覚してからの俺は、今まで自分でも知らなかった一面がたくさん出てきてる。   でも、それが何だか嬉しくて…心地よくて…。     「………帰ろ」     こんなとこで、ブツブツ独り言を言っていた俺は、不審者に見られる前に帰る事にした。   手には、家まで送った時に麦ちゃんがくれたPEACHのケーキをしっかり持って。    
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