テレフォンアナウンサー・恵子

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先日、図書館で村上春樹翻訳の『グレート・ギャッツビー』を借りようとしたが見つけられなかったので、図書館の人を頼ってみた。 「すいません、村上春樹の『グレート・ギャッツビー』が見つからないんですが」 と、僕は図書館の男(推定43才趣味は木琴叩き)に聞くと、彼はカウンターにあるパソコンで検索を始め、この図書館で貸出してるグレートギャッツビーは全て貸出し中であることを教えてくれた。 「そうですか、ありがとうございます」 「うちには無いけど、八王子の図書館には在庫はあるんです、もし良かったら取り寄せましょうか?」 「そんなことができるんですか?」 「えぇ、明日にでもご指定の図書館に移動できます、うちでいいですか?」 「いえ、自分としては家の近くの下北沢図書館で受け取りたいんですが」 「かしこまりました、そのように致しますので電話番号と名前をこちらにご記入下さい」 僕はその紙に、 坂東タメイチロウ 080-****-**** と記入する。 「明日には電話が行くと思いますので」 「はい、ありがとうございます」
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