§序章§

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†十欄譜編† 僕は赤い赤い血の中で生まれた. 何故か僕は赤かった. 如何して僕は赤いの? 僕は首の無いマミィに聞いた. でも返事はなかった. 如何して何も言わないの? 僕は体の無いパピィに聞いた. それでも返事は無かった. 如何してこの世は赤いの? 如何して僕は独りなの? 僕は独りで泣いた. 初めて見たのは気が狂う程の赤. 初めて嗅いだのは気が狂う程の鉄の香りと生臭さ. イヤダイヤダイヤダイヤダ… 死ぬのはイヤダ. 僕はひたすら泣いた. そして2、3日が経った. 僕は死ぬのが怖くて有る物全て を口にした… 近くの鏡には鬼の様に口元を血に染めた僕が映っていた. そこに1人の人間がやってきた. 初めて見た生きた人間. そいつは僕を見て言った. “鬼だ.鬼の子だ” そう叫ぶと奴は逃げて行った. また独りぼっち… それから数年… 独りぼっちのまま大人になっ た. そして姿を隠すフードを買った. そして僕にピッタリな職に就いた. それは占師. 僕は人の人生を手に入れた. そして1人で旅をした. すると其処へ変な奴がやって来 た. 何を言い出すのかと思ったら、 “僕のファミリーになって” だってさ. まぁどうせこの先... 生きて行けなくなるかもしれないから… “暇だから付き合ってやる” って答えてやった. それから僕は名前を貰った. 十欄譜 だって. こいつは面白い人間だと思った. と言うかバカ? 単純でバカ. でも一緒に居ると面白い. 良い所を見つけたな、と思った. それから僕にファミリーが出来た. 楽しい楽しいファミリーとの旅. 飽きることは無かった. 楽しかったあの頃... そして今は……. END
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