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「っっっ!」
散葉は途端に体を震えさせて瞳を潤ませた。
「零也くんの完璧魔神っ!鬼畜っ!どれだけ私をメロメロにすれば気が済むの!好き好き好きぃ!」
「や、わ!?今抱きついたら───」
隕石の衝撃によって落下点を中心に屋上はすり鉢状に窪んでいた。散葉達はかろうじてフェンスに捕まっていただけなわけで、支えを失えば当然。
「うわぁぁあ!」
「きゃああ!」
落ちてからわかったけど、中心は穴があいて下の教室に続いていた。
「げほっげほっ…う~埃が…」
「ここは…開かずの間ですか…?」
開かずの間、というのは零也が今までに一度も入ったことのない部屋だった。
というよりもここ何年間かは開かれていないらしい。
「みたいだね…。零也くん、怪我してないかな?私が舐めて消毒してから神力で治療してあげる」
「普通に治療だけでいいんじゃないでしょうか…」
「私は命じられれば足だって舐めるのに…。ってあれなんだろ?」
軽く危ない発言をして散葉は教室の中心を指差した。
そこには白い光を放つ球体が浮いていた。
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