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Ⅲ
「どうしましょうか、散葉さん」
「うーん…やっぱり言われた通り霊力を込めるしかないかなぁ」
結論だけを述べると、卵は零也の部屋にあった。龍族の秘宝、素龍、通称を龍玉は薬婆の命令に従って零也と散葉が育てることになった。
そもそも龍玉というのは遥か昔に生まれたはずの卵らしい。
龍が増える方法は2つあって、一つは交尾による生殖。二つ目は新たな神が生まれるときだ。神は自然そのもの。
龍は自然の力が凝縮して生まれるため、あらたな自然が出来れば龍は自然発生するのだ。
「命先輩も言ってましたけどどんな子が生まれるかわからないんですよね」
龍の卵には必ず色がある。
そして、その色が属性をしめすのだ。ちなみに雷を扱う命は黄色い卵だったらしい。
しかし龍玉は真っ白なのだ。
属性も、力すらも不明なのだ。
「格好いい男の子か可愛い女の子に決まってるよ。私と零也くんの子なんだから」
鳥とは違い、卵を温める必要はない。熱の代わりに霊力を与えるのだ。
「可愛いならわかりますけど、格好いいはないですね」
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