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悲しいことに、零也は決して男らしい顔立ちではない。
どちらかと言えば女の子に近い。
「男の子なんて今からが成長期なんだよ?きっとどんどん男の子らしくなるって。それに今の零也君だって私大好きだよ!」
「わっ!?」
言葉を証明するように散葉は抱きついてきた。卵は安定して置けるようにクッションやらタオルやらを置いて作ったスペースに置かれていた。
衝動的だったはずなのに案外しっかりしている散葉。
「ね?それじゃだめ?」
のしかかったまま甘えるように耳元で囁かれた。
それだけで零也の頭は甘く痺れた。
自然な流れで零也は散葉の唇に自分の唇を重ねる。
二度、三度とついばんで、我慢できなかったように舌を絡め、荒い息をついた。
「ダメなんかじゃ…ないです…。僕、散葉さんが好きでいてくれるなら他の人がどう思っても…いいんです」
驚くほど自然に言葉がこぼれた。散葉も零也がこんなことを言うのは予想外だったらしく目を見開いた。
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