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なるほど、散葉が恥ずかしがる意味が分かった。確かにこれは半端じゃなく恥ずかしい。
けれど、女の子的にはしてもらいたいことなのかもしれない。何千歳とはいえ、散葉は女の子だ。
「あの…わかりました。やります」
「え!?本当に!?」
「こんなことで嘘つきませんよ。早くこっち向いてください」
「う、うん!」
すぐに散葉は振り向いて正座をした。そして胸の前で手を組んだ。期待と不安が混ざったような表情をして零也を見つめて恐る恐る口を開いた。
「いつでもいいよ?」
一応許可が出たので零也は散葉の頬を撫でた。ぴくんと散葉の肩がゆれる。
安心させるために微笑んで、頬に置いた手を滑らせて髪に触れた。そのまま一房を掴んで自分の方へ手繰り、見つめた。
心の底から溢れた感情を隠すでもなく口にして
「散葉さん、大好きです」
零也は髪に口付けた。
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