1.愛の結晶

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学園の屋上。 普段はあまり人が踏み入れることのないその場所に、たくさんの妖怪がひしめいていた。 百鬼夜行とはよく言ったもので、月明かりすらない今日はその異様さも普段の比ではなかった。 「始めるぞ、準備はいいか」 ざわめきが止まった。 声を発した妖怪がにやりと笑う。 それと同時に彼は自分の手のひらに火を灯し、最終確認をした。 「本当にいいんだな?…政基」 「…あぁ、やってくれ。なるべく早い方がみんなも楽になる」 重々しい言葉を聞いて、彼は火を落とした。 途端に火はなにかに導かれるように広がり、燃え盛った。 しばらく経つと肉が焼ける匂いがあたりを包んだ。 待ちきれないように妖怪の一人が口を開いた。 「も…もう我慢できねぇ!まだかよ政基!」 「ちっ、少しくらい我慢出来ねぇのかよ」 嫌そうに呟きながら政基は火に目をやった。 その瞳は鬼特有の仄白さが残っている。 「お前たち、よく今日まで我慢した。これは俺からの褒美だ」
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