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散葉は抱きついたまま零也の手のひらに自分の手を重ねてボールを持つのと同じ形にして、その上に卵を転移させた。
「うふふっ、じゃあ始めるよ。って言っても、零也くんは知ってるんだよ?」
「知ってるってなにをですか?」
「霊力の扱い方だよ?ほら、零也くんだけに許された愛の必殺技があるでしょう?」
零也にだけ許された、ということは自ずと答えは決まってくる。
「神降ろしですか?」
「正解っ!神降ろししてるときに火焔をつかうでしょ?あの感覚だよ」
散葉は簡単に言ってくれるけれど、実際は簡単じゃない。神降ろし中はどうすれば火が出るかが散葉から伝わる。
だけど今はそうはいかないのだ。
「あ…だめ?それじゃあ基本から始めよう!まずは深呼吸してね」
見本を示すように散葉は深呼吸した。深く呼吸するたびに散葉の胸は零也の頭の後ろで上下する。零也の顔は一気に上気した。
「やだかわいい…真っ赤になっちゃって!いいんだよ?触りたくなったんなら我慢なんてしないで…」
散葉に体を任せていたのがいけなかった。卵を再度タオルの上に転移させて、零也の右手を自分の胸に押し付けた。後頭部に位置する部分なため、振りほどこうにも力が入らない。
だから零也は散葉の至高の膨らみの感触を楽しむ羽目になった。
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