2.愛娘大騒動

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納得したように一人呟く散葉。言われてみれば自分そっくりだ。 「……」 「ご、ごめん零也くん!だからそんなにふくれないで私をキュン死にさせないでぇ!」 なんだキュン死にって。 もう一度ため息をついて、零也は七海を揺すってみた。 「うゅ…?」 七海は薄く目を開いた。 瞳は碧く、輝いている。 のそっと身を起こし、猫のように背伸びをした。 「んー…!」 ふるるっと身を震わせてから、七海は二人を見つめた。 どことなく眠そうなのは彼女の特徴だろうか。 「あ…パパだ…!…ママもいるー…!」 嬉しそうに二人に抱きついて、七海は散葉と零也へ交互に頬ずりをした。 我慢ができなくなるのは、やはら散葉が先だった。 「可愛いっ!」 ばっと抱きしめ、散葉は七海の体を撫でまわした。 「やんっ…ママ…くすぐったいー…!」 「あら、幼い割にちゃんと発育してるわね七海」 「ち、散葉さん!?なにをしてるんですか、だめですよ自分の娘に手を出しちゃ!」 慌てて止めようとした零也に散葉がくすくすと笑った。 その笑みはあきらかに零也をからかっていた。 「やだなぁ零也くんってば。私は七海の服を作ろうとサイズを計ってただけだよ?」 七海から手を離し、散葉は零也にひどく淫靡な笑みを浮かべたまま近づいてきた。 自然な動作で零也の頭を抱いて、散葉は囁いた。 「なにを想像したのかな…?零也くんの、えっち。そういうことは七海がいないときに…ね?」 そんなつもりじゃなかったのに。
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