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「ママ…パパ…いじめちゃだめー…!」
困っている零也を見て、七海がすぐに散葉の服の裾を掴んで咎めた。
なんていい子なんだろう。
零也が感動している横で、散葉が笑っていた。
「うふふ、いじめたりなんかしてないわよ?ママとパパはとーっても仲良しなんだから!それより七海、どんなお洋服が───」
上機嫌なまま七海の頭を撫でていた散葉。すごくほほえましい光景をいきなり開いたドアが壊す。
「龍の子が産まれたって本当ですか!?」
と、当たり前のように入ってきた咲夜の真横。
壁にナイフが刺さった。
犯人はまるで咲夜が来るのがわかっていたんじゃないかというくらい素早い反応を見せた散葉だ。多分、空間転移でキッチンから取り寄せたのだろう。
「お、おち、落ち着い…!」
「咲夜ぁ?家族団らんを崩すとはいい度胸ね」
ものすごい笑顔で、散葉は咲夜を見た。
いや、睨んだ。
目は笑顔だけどこれは睨んでいる。
しかし、今日はいつものように険悪な空気にはならなかった。
そう、天使がいるからだ。
「ん…?あー…!咲夜お姉ちゃんだー…!」
「……なんですか、この天使は!この子が龍の子!?嘘です!天使です!」
「違うよー…?七海、龍だよー…?」
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