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「おーい、零也!食べてるか?」
「あぅ…政基くん」
片手に皿を持って政基が現れた。司会の彼もようやく隙ができたらしい。
いつもの三人に囲まれている零也を見ると苦笑した。
「助けが必要か?」
「ううん、大丈夫だよ。僕の問題だしあんまり人に頼ってちゃだめだと思うんだよ」
「…成長したな、零也。結婚してくべっはぁ!?」
いつもの軽い冗談を言おうとした政基の右頬に咲夜、左頬に命そして顎に散葉の拳がめり込んだ。
「鬼の里に強制送還がお望みですか?」
「龍の国へ行きたいのか?父様に灰にしてもらえ」
次々にぴくぴくしている政基に言葉をかけていた。
そして、もう一人…というか、メインである散葉がとても女神とは思えないオーラを発していた。
「政基」
名前を呼んだだけで政基は意識を取り戻した。だが瞬時に悟る。死期がもうすぐ迫っていることに。
「死について考えたことはあるかしら」
一言一言が魂を潰す圧力を発していた。
「考えたことがないのなら、今からすべてを悟らせてあげるわ」
「ま、ま、待ってください!散葉さんが人殺しをしたら零也も悲しみますよ!」
「そうねぇ…あなたにしては頭を使うじゃない」
優しく微笑んだ散葉に政基はホッと息を付いた。
「ま、あなたは妖怪だしノーカウントでしょ」
「え~!?待っ────」
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