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「っ…!七海、あとであそんであげるから少しだけみんなと遊んでてくれる?」
「うん…。ママ…大丈夫ー…?」
「うん、大丈夫だよ。パパがすぐに治してあげるからね?あ、晴さん悪いんですけど七海を連れて行ってくれますか?リビングにいるので」
「わかった、まかせてくれ。行こうか、七海ちゃん」
「…うん…」
心配そうに振り返る七海がリビングに消えたのと同時に散葉さんが崩れ落ちた。
「ち、散葉さん!?」
「七海が居なくなったら…気が抜けちゃって…」
きっと母親としての意地があったのだろう。僕的には割といつも同じに見えたけど。
「…よく頑張りました。寝室まで空間転移できますか?」
「うん…いくよ…?」
ぱちんと指を鳴らす。
僕たちを光が包む。
次の瞬間にはもう散葉さんのベッドに僕たちは転がっていた。
「じゃあ始めますよ…?」
「だめ…ちょっと…待って…結界張らないと、七海に聞かれちゃう」
云いながら散葉さんは指を空中に走らせた。
複雑な線を描き、指を鳴らす。
本人曰わく、指ぱっちんひとつでなんでも出来る方が神様っぽいとかなんとかで指ぱっちんを多用する。
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