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うすピンクの幕が張ったのと同時に散葉さんがベッドに体を埋めた。
「零也く…も…無理…」
「あぅ…えっと、なにされたいですか?」
「胸……」
「胸ですか?わかりまし…」
四の五の言っている場合ではなかったので、とりあえず胸に手を伸ばす。
薄まった解魂水は意識がある分、すごく辛い。
僕でも辛かったのだから、散葉さんはなおさらだ。
けれど─────────。
「は…ダメ…我慢できなく…なっちゃう…」
「あ、危なっ!?」
触るぎりぎりのラインでなんとか止まった。
すごく辛そうになりながら、そのまま固まっている僕の手を掴んで、散葉さんは引っ張った。つんのめって、僕は散葉さんの肩に顔をぶつけた。いや、痛くはないんだけど。
そして、すぐ耳のそばで囁く。
「キス…ちゅ~…して…」
散葉さんにしては可愛いすぎるお願いについ笑ってしまった。
「ふふふっ」
「もう…笑い事じゃないん…だから…」
「ふふ、すいません。じゃあ…」
「うん…来て…!」
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