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焦らしたら可哀相だ。
そう思ってすぐに唇を重ねる。
キスしてもいつものように首の後ろに手が回ってこないのは少し寂しいけど、今は僕が散葉さんを満足させなきゃ。
「んちゅ…ちゅ…ちゅ…む…零也…く…」
いつも散葉さんがしてくれるように、口紅も塗っていないのにどんな人よりも鮮やかな唇を貪る。
酔ったように目をトロけさせた散葉さんの首に手を回してうなじを撫でると、びっくぅ!とのけぞった。
……弱点、発見。
「や、零也くん…そこはだ…ふむん…!」
だめなんて言わせない。
文句を言う前にもう一度唇を塞ぎ、今度は舌を差し込んで絡ませた。
「ちゅ…える……」
「…落ち着いてきましたか?」
「わかん…ないぃ…。頭の中…ぽーっとしちゃって…るぅ…」
「じゃあこのままでいたら辛くないですね。大丈夫、辛くなったら鎮めますから。今はここを撫でてれば平気ですね…」
「んぅ…うなじなでなで…気持ちいいぃ…」
なんとか鎮火作業は成功したらしい。
僕に目を向けて幸せそうに笑っている散葉さんを見て、僕はホッと一息付いた。
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