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意味が分からない。
死霊は未練が強い魂を巻き込めば巻き込むほど強くなる。
しかし、この前の奴らは言わば傀儡だった。人の形はしていたけれど魂を持たない人形だった。
ならば食わせてもなんのプラスにもならない。
瑠璃波を煽っているなら、奴らを使ってもなんの意味もない。
ならば何故────。
「なにか別の目的が…?そもそも死霊使いとあの連中のつながりは…?」
わからないことだらけで気分が悪い。処置が後手後手に回っている。これでは少しずつ戦力を削られてジリ貧になるだけだ。
「すいません、奏さん。連絡を頼まれてください」
「え?あ、はい。なんですか?」
「深夜の巡回はもうしなくていいです。それと、命さんに明日の正午に零也さんの部屋にくるようにと」
「わかりました、命先輩ですね」
しっかりと確認して部屋を出て行く奏を見送ってから咲夜はため息をついた。
「巻き込みたくはなかったんですけどねぇ…」
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