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「やられました…。まさかこれだけ大々的にやられて気付かないなんて…」
「で、中心が星山なわけね。大量の血で描いた陣…目的はなんなのかしらね」
「これだけ大掛かりなものなら自ずと種類が限られます。大規模な戦闘用法術や強固な結界、空間を歪ませることもできるでしょうが……」
言葉を切った咲夜に続いて散葉が憎々しげに言い放つ。
「神の召喚…か。確定じゃない?敵は間違いなく、神狩りでしょう」
思考が追いつかない。
話が零也の関与出来ないところで進んでゆく。
神の召喚?神狩り?
つまり、敵は────。
「僕たちの目の前で神を狩る気だっていうんですか?」
誰も答えない。
それがある意味、一番の解答だった。
「…お手数をかけました。あれが陣なら定着に三日はかかります。それまでに作戦を考えますから…」
ふらりと咲夜は部屋を出た。
きっと自分を責めているのだろう。気付けなかったことを後悔しているのだろう。
かちり、かちりと秒針の音だけが響く。そんな中、散葉が立ち上がった。
「ね、零也くん?神降ろし中に使える技を全部言ってみてくれるかな?」
「ふぇ!?火炎弾と火焔柱…ですかね?」
「うん、パパが使えるのはそれだけだよー…?」
おまけに七海も言ってくれた。
そう、いつもこの2つしか使ってない。火力を調整してバリエーションを出してはいるが実質的にはこれしかないのだ。
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