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黒こげになった半径15メートルを見て零也は理解した。
石ひとつをターゲットにしてもあれくらいの威力が出てしまうほどに強力な技だと。
「わー………」
「うふふ、ね?私が全力だったら命にだって負けないんだから!」
自信満々に言い切って散葉は笑う。確かに威力では負けてない、というより勝っている。
「ただ…私向きの技であって…零也くんには難しい技の一つなんだよね。」
「え?なんでですか?」
「鳳凰千破はさっきも言った通り完全に消滅させる技だから、対象を滅す!って思いをちゃんと持たないといけないんだよ。けど零也くんはそういうの苦手でしょ?」
「う…。ただの石ならまだしも生きてる人は…きついです」
自分で向いてるとはいってるけど散葉だって多分使うとなれば躊躇うはずだ。
加減など出来ないから必殺技なのだ。
「ま、逆に言えばそれさえできれば神降ろし中に唱えるだけで使えるからさ?頭にいれといてくれるだけでもいいからね。
戻ろっか?七海、おやつ作ってあげるわね?」
「うん!おやつー…!」
「……あ!先に帰っててください。咲夜さんのとこで治療してきますよ」
「了解!無理しちゃだめだよ?零也くんのももちろん作るから楽しみにしててね!」
花が咲くように笑って二人は階段に駆けていった。
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