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寮から校舎までは五百メートルある。零也はその道のりを歩いていた。そして唐突に背後から声がかかる。
「お?零也じゃんか。こんなとこでどうした」
「あ、うんちょっとね」
「七海ちゃんが迷子になったとかか?」
「ううん。七海はこの辺の地理もわかってるし、迷子にはならないよ」
「じゃあどうしたんだよ?お前が散葉さんから離れるなんて珍しいぜ?」
「ほら、この前の後遺症…覚えてる?」
んーっと唸りながら政基は頭を捻った。数瞬してから納得した顔になる。
「おお。神降ろしできない理由だっけか」
「うん。昨日、咲夜さんが治療法を見つけてくれて、今日は今から続きなんだ。政基くんも来る?」
「いいのか?迷惑にならないなら行きたいな。響の奴、奏達に買い物に引っ張られてな。ひまだったんだよ」
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